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穀物として食べられるイネ科植物のソルガムの種子をすりつぶした跡が、アフリカのモザンビークで発掘された約10万年前の石器から見つかった。人類が穀物を食べ始めた時期ははっきりしていないが、信頼できる痕跡としては最も古いものになるという。米科学誌サイエンスで発表された。

 同国北部の都市リシンガに近い石灰岩の洞穴から出た70個の石器を、カナダ・カルガリー大の研究者が調べた。石器の表面にはソルガムのでんぷん粒がたくさん残されており、種子を砕いたり、すりつぶしたりと、「料理」して食べていたらしい。栽培したものではなく、自然に実ったものを集めてきたようだ。

 洞穴で暮らしていたのは現代の私たちと同じ人類であるホモ・サピエンス。中期旧石器時代にあたる当時、人類は食料を狩猟・採集で手に入れており、植物の利用は果実やナッツ、根が中心だったと考えられていた。

 カルガリー大によると、これまでの穀物利用のはっきりした証拠は、1万2千年ほど前のものしか見つかっていなかった。

 総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎教授は「分析が間違いないとすれば、約10万年前の『出アフリカ』前後の人類が何を食べていたかを実証した点で価値がある。今後、当時の植生や他に何を食べていたかなど周辺情報が得られれば、さらに説得性のある研究になるだろう」とみている。(米山正寛)